『シーカヤックは船酔いするのか?』 2021.2.9
『船酔いする可能性はあります!』
よくお客様から聞かれる質問のひとつです。
船酔い!!
学問上では「動揺病・加速度病」と言います。
「船酔い」はなにも船(シーカヤック含む)だけに限らず、車や飛行機でもありますよね。
シーカヤックガイドの私は船酔いしないのか!?
カヤックでは船酔いしたことがありませんが、
父島~竹芝間を運航するおがさわら丸や、漁船で船酔いした経験があります。
特に漁船での船酔いはひどかったです。。。
もうなにも吐くものがない!胃の中は空っぽ、、、胃液だけオエオエっ
全身の毛穴が開き、冷や汗・あぶら汗が出ていましたね。
もう最悪な状態でした。
そもそも、船酔いのメカニズムは簡単に言うと、
脳が『パニック状態』になっています。
人体には倒れないように、自動的に姿勢を保つ調整機能があります。
これを平衡機能といいます。
人は歩くことを日常から行っており、脳が振動や揺れを処理し、この平衡感覚を保持するのです。
この働きには内耳にある前庭や半規管という器官が重要な役割を果たしています。
同時に内耳は、目からの情報も脳に伝えています。
船や車などの乗り物に乗って、前後・左右・上下・回転などの刺激を内耳が受けると、その情報が脳へ送られます。
こうした動きは日常ではあまり体験しないもの。
慣れない刺激が、不規則に連続すると情報過多となり、脳がパニックを起こします。
そして自律神経に異常な信号を送ってしまうのです。
すると、生あくび、生つば、冷や汗、顔面蒼白、手足の冷感、気持ち悪さなどを起こし、最終的に嘔吐などの症状が出ます。
これが「船酔い」のメカニズムです。
脳がパニックを起こすキッカケは揺れだけではなく、
疲労や睡眠不足などの体調不良、不快な温度や湿度、ガソリンなどのニオイも原因になります。
また、過去に船酔いの経験があると、それがトラウマになって酔いやすくなる人も非常に多いのです。
ということは、カヤックでも船酔いする可能性はあるということですね!
『船酔い予防とは?』
誰もが船酔いする可能性がある、では事前にどのような準備をしたらよいのか!?
〇睡眠時間をたっぷりとる
睡眠は自律神経を休める効果があります。
ツアー前夜はぐっすり眠ることが、船酔い回避の第一歩です。
長い時間眠ることも大切ですが、短時間でも熟睡、良い睡眠がとれればかなりのアドバンテージを得たことになるでしょう。
お酒もポイントです。
小笠原旅行でついついお酒を飲みすぎてしまうこともあるでしょう。だって休暇ですもんね。
ただし深酒はよくありませんので、ぜひほどほどに。
〇疲れを残さない
小笠原の旅は基本滞在が4日間あります。
普段の生活で全力で遊ぶことが多いのは2日間くらいでしょう(週末の休みを使ってとかね!)
ということは、4日間全力で遊ぶということをあまり経験ない方は
3~4日目で疲労困憊・遊び疲れが小笠原滞在中に出てきます。
全力でもちろん遊んでほしいのですが、しっかりと回復する時間も作りましょう!
〇往路のおがさわら丸
個人的にはここが一番のポイントだと思っています。
竹芝から父島までの1000キロ24時間で船酔いを経験されると、
父島滞在中も酔いやすい身体になっていると考えてよいでしょう。
もし、おがさわら丸乗船中吐くまで症状が悪くならなかった、けどずっと気分は良くなかった…
そんな方は小笠原滞在中の疲れが出始める頃は、船酔いがひどくなる場合もあります。
あるいは心の問題で、また酔うかも・・・という不安から船酔い症状が出てくることもあります。
〇酔い止め薬を服用
小笠原旅行では必須かもしれません。
6時間などの半日しか効果が続かない薬ではなく、24時間続く薬が良いでしょう。
おがさわら丸に24時間乗るので、飲み忘れを防ぐこともできます。
重要なのは、症状が出てから服用しても改善しないということです。
ぜひ乗り物に乗る前に服用してくださいね。
船酔い症状が出たらどうするの?
脳がパニック状態で起こる症状なので、まずはパニックを解かなければなりません。
つまり、リラックスです。
人それぞれリラックスの仕方は違うと思います。
私は『寝ます』
自律神経を休め、すべての感覚をリセットするには、寝るのが一番だと個人的には思います(寝れればですけど)。
ツアー中であれば、海岸に上陸して休憩しましょう。
当たり前ですけど、まずは揺れない場所に行くことが一番効果ありますよね。
そしてお昼寝したり、お茶を飲んだり、談話したり、海水に浸かったりと気分転換をすることで、
症状が落ち着いてくることが多いです。
せっかくの小笠原旅が船酔いばかりのつらい思い出では、とても悔しいです!
ぜひ予防と対処を知って、ツアーを楽しんでください!