『サンゴの白化』 2020.10.11
シーカヤック体験1日コース
今日は二見湾内を中心に漕いできました。
今年は幸いなことに台風の直撃を父島は受けていません。
遊ぶことだけを考えるのであれば、嬉しいことなのですが、
諸手をあげて喜ぶばかりではありません。
実は台風がくることによって良い事がたくさんあります。
・植物の種や生き物が遠くまで飛んでいける
・私たちが使う水を確保できる
・空気が澄む
考えただけでも、たくさん挙げられます。
今回はサンゴの白化についてのお話です。
今年は台風の影響が少ないために、例年にくらべると父島の海水温は高めです。
そのため、サンゴの白化現象が顕著にみられます。
一見とても綺麗なサンゴですが、とても残念な美しさです。
サンゴ自体は動物ですが、褐虫藻と呼ばれる藻類を体内に共生させ、その光合成生産物に依存して生きています。
サンゴの白化は、環境ストレスにより褐虫藻の光合成系が損傷され、サンゴが褐虫藻を放出することにより起こります。
このとき、サンゴの白い骨格が透けて見え、白くなるため白化と呼ばれます。
環境が回復すれば褐虫藻を再び獲得してサンゴは健全な状態に戻りますが、
環境が回復せず白化が長く続くとサンゴは死んでしまいます。
環境ストレスとしてよく挙げられるのは高水温です。
近年、サンゴの白化の頻度が増大していることが明らかになり、
温暖化による水温上昇との関係が盛んに議論されるようになりました。
サンゴの棲息に適する水温は25°Cから28°Cといわれており、30°Cを超える水温の状態が長期間続くと白化が起こります。
おそらく今年の父島の海水温は、短期的かもしれませんが高い状態が長く続いてしまっているのでしょう。
これから季節がかわり、水温は徐々に低くなってくるでしょう。
自然は良い事ばかりでもなく、悪い事ばかりでもなく。
一方ではメリットでも、見方を変えるとデメリットだったり。
色々考えさせられるツアーとなりました。
ツアーご参加いただいたお客様へ!
荒波のなか、ありがとうございました。